
「今日はお腹が痛いから休みたい。」子どもにそう言われると、「体調が悪いなら仕方ない」と思いますよね。
でも実は、その言葉の裏に別の理由が隠れていることも少なくありません。近年、不登校の子どもの数は過去最多を更新しています。
「いじめが原因なのでは?」と思われがちですが、実際はそれだけでは説明できないケースが多いことが分かっています。
では、本当に子どもたちは何がきっかけで学校へ行けなくなるのでしょうか。
「体調不良」はきっかけではなくサインかもしれない
朝になるとお腹が痛くなる。頭が痛い。なんとなく体がだるい。病院へ行っても異常は見つからない。こうしたケースは珍しくありません。
文部科学省の調査では、「体の不調」が学校へ行きづらくなったきっかけとして多く挙げられています。
しかし、過去に不登校を経験した人へ行われた調査では、まったく違う結果が出ています。
本当のきっかけで最も多かったのは「友人関係」
「クラスで居場所がなかった。」
「仲の良かった友達と離れてしまった。」
「毎日学校へ行くのが苦しかった。」
元不登校の人への調査では、最も多かった理由が友人関係でした。
いじめのように誰が見ても分かる問題だけではありません。
何気ない一言。仲間外れ。クラスの空気。
周りから見れば小さな出来事でも、本人にとっては学校へ行けなくなるほど大きな出来事になることがあります。
中学校で急に増える理由
不登校は、小学校より中学校で一気に増える傾向があります。
その理由の一つが環境の変化です。
クラス替え。新しい先生。部活動。勉強の難しさ。人間関係も大きく変わります。
大人でも環境が変わればストレスを感じます。子どもならなおさらです。
「学校へは行っている」から安心とは限らない
実は、学校へ来ていても教室へ入れない子どももいます。
保健室で過ごす。途中で早退する。授業だけ受けられない。
こうした子どもは統計上、不登校に含まれない場合があります。
数字には表れなくても、「学校がつらい」と感じている子どもは、それ以上にいると考えられています。
「甘え」と決めつける前に考えてほしいこと
「自分の頃は休まず学校へ行った。」そう思う人もいるかもしれません。
でも、不登校は気持ちの弱さだけで説明できるものではありません。
学校生活。友人関係。勉強。家庭環境。
さまざまな要因が重なって、「もう行けない」という状態になることがあります。
本人が一番苦しんでいるケースも少なくありません。
子どものSOSは、言葉ではなく行動に表れることもある
朝になると体調が悪くなる。急に笑顔が減る。学校の話をしなくなる。
こうした変化は、子どもなりのSOSかもしれません。
もちろん、すべてが不登校につながるわけではありません。
ですが、「そのうち治るだろう」と決めつけず、少し立ち止まって話を聞いてあげることが大切です。
大切なのは「原因探し」より「安心できる場所」
不登校になる理由は、一人ひとり違います。
だからこそ、「何が悪かったのか」を探すより、「この子が安心して話せる場所はあるか」を考えることのほうが大切です。
学校へ行けるようになることだけがゴールではありません。子どもが「自分は一人じゃない」と感じられることが、次の一歩につながることもあります。

